東京機械の臨時総会での買収防衛策議案で初めてMOMでの決議が行われましたが、当ケースでは2度目の実例となりました。2023年6月に行われた定時総会での結果は、MOMで可決されましたが、もし普通決議であれば可決できなかったと言われています。東京機械の司法判断の中に急速な買付による強圧性が指摘されましたが、今回は村上ファンドの保有株が20%に到達するまで1年以上の期間を経過しています。つまり、既存株主に判断の時間が与えられていて、東京機械のケースほどの強圧性はないということになります。私は村上ファンドに差止請求を出してもらって、司法判断を見たいと思っていましたが、残念ながらそうはなりませんでした。
2023年10月にコスモ取締役会はの「大規模買付行為等に関する対応方針」に基づいて、村上ファンドに対しての対抗措置発動を12月の臨時株主総会に上程すると発表しました。ただ、今回はMOM決議ではなく、普通決議で採決を行うことになりました。同年8月に経産省企業価値研究会により公表された「企業買収における行動指針」によってMOM決議の適用が極めて困難になったことからと推測しております。
ところが2023年12月に村上ファンドは岩谷産業に持株を売却した結果、臨時総会は開催中止となりました。