コラム ひとり言

光通信の仮想投資持分連結業績開示

光通信はここ数年多くの中堅上場企業の株式を市場で買っています。非常にキャッシュリッチな優良企業なのですが、当初はどのような目的で買っているか市場では不可解に思われていました。2023年3月現在同社の決算時開示によると、投資先企業は494社でうち26社が持分法適用企業となっているようです。そのうち178社の大量保有報告書が提出されています。私は毎日大量保有報告書を見ていますが、毎日のように同社がどこかの報告書を提出しています。報告書の提出だけで大変な作業だと思います。また、同開示によると、安定収益があるストック事業を有する企業や、安定収益があり財務基盤が強固な企業を割安価格で買収する、とあります。また、ユニークなことは、保有持分に投資先業績を乗じて、ポートフォリオ全体の成績、加えて仮想連結業績を開示している点です。仮想連結業績によると、売り上げで開示連結業績のほぼ2倍、営業利益でもほぼ2倍となっています。ポートフォリオのPERやPBR、配当利回りの開示もあります。これを見るとPERは10倍でPBRは0.8倍、配当利回りは3.4%と確かにバリュー銘柄への投資だとわかります。銘柄によっては40%を超える保有比率もあり、流動性を犠牲にして安定保有を目指していると推測されます。いずれにしてもユニークな取り組みだと思いますが、同社株主の賛同は得られるのかどうか??