アクティビストのアクションを見ていくうえで各社の総会での株主提案は重要です。私は株主提案が行われた企業のリストを作成していますので、ご参考ください。
東証は株主提案を株主から受けた際には重要な情報として適時開示をすることを要請しています。ほとんどの上場企業は適時開示を行っていますが、強制ではないので、中には電力会社やNTTなど行わない企業もあります。適時開示で株主提案をフォローすることは十分可能ですが、開示していない場合は、株主総会招集通知で1社ずつ確認しなければなりません。3500社超の上場企業の招集通知をひとつずつ確認することは難しいため、当リストは完全ではありません。株主が株主提案を行ったと発表したケースや偶然発見したケースでは各社の招集通知を確認してリストに網羅してあります。新聞等で今年の株主提案は少なくとも〇〇社と発表しているのはそのような事情からです。
ちょっと驚いたのは、たまたま目にした株主に送られてきたNTTの招集通知ですが、2ページに決議事項として会社提案の2議案と株主提案1議案が掲載されていました。5ページから14ページまで会社提案議案の説明がありましたが、株主提案の説明はありませんでした。どうしてなんだろうと思いNTTのホームページで確認したら、なんと総会資料別冊に掲載されていました。この別冊は株主には送付されていません。
たしかに2021年に会社法が改正され、総会資料のウェブサイトでの開示が義務化された結果、郵送の義務はなくなりました。株主へはホームページのアドレスを書面で提供すれば、招集通知を郵送する必要がなくなりました。NTTのケースでは招集通知の一部をアドレス付きで送付したことによって、あとはホームページを見てくださいということでしょうが、会社提案は郵送書類に含まれていて、株主提案はホームページの別冊を見てくださいとはいかがなものでしょうかね。ほとんどの株主は郵送された資料だけしか見ていないような気がします。