本日4月3日にニデックは12月27日の発表通りに牧野フライスに対して4月4日にTOBを開始することを発表しました。価格は既発表通り11,000円でTOB期間は4月4日から5月21日までとなります。
特別委員会が再三決算発表日以降への開始延期を要請し、牧野フライスがTOB開始日を5月9日以降に変更させるために対抗方針(買収防衛策)まで発表する中、ニデックはTOBを強行しました。
牧野フライスは法的拘束力のない買収意向表明書を複数受領しているようですが、デューデリジェンスを行う時間はなかったのかもしれません。もっともニデックでさえデューデリジェンスは行っていません。
前回の投稿にも書きましたが、私はニデックがTOBを予定通り行い、牧野フライスが対抗措置を発動したとしても、株主総会で対抗措置の可決は難しいと考えています。
今後は、ニデックのTOB価格を上回る価格での対抗TOBが始まるかどうかが焦点となります。対抗TOBが出てくるとするとファンドである可能性が高く、基本的にはシナジーのある事業会社(Strategic Buyer)にファンド(Financial Buyer)は勝てないのが一般論です。ただ、ニデックは価格を上げないと示唆していますので、もしそうであれば、ファンドの勝ち目もあるかもしれません。
当案件は今後のM&Aのあり方を左右する可能性が高く、ますます目を離せなくなってきました。
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